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だから,彼の仕草にも妙に納得がいった。そして,次に待っているであろう展開にも,予想がつく。
裕一からのキスを,彼女は目を閉じて受け止めた。初めてではないし,何も知らない少女でもないのだから……。
「――じゃあ,またね」
「はい」
頷いて,美優は彼の車を見送った。その頬は,もう夕日も沈んたというのに赤みを帯びていて。
自分の家の前にいるのに,顔の火照りが冷めるまでは,家に入れそうにない。
「――え……,待って待って!今のって,現実……だよね?」
彼の車が完全に見えなくなってから,美優は数分前の出来事を思い返した。
自分から彼に,逆プロポーズ(?)したという自覚はある。実は,ダメもとだったりする。まさか,相手もその気で,あっさりOKをもらえるとは思っていなかったので,今日ダメだったら返事はまた後日でいい,と思っていたのだ。
でもまさか,初めて会った今日のうちに,こんな恋愛モードに突入するなんて……!こればっかりは,彼女も予想外だった。
さらに,初めてのキスまで!会った初日なのに?いいの!?
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