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「なんか,展開早すぎてコワいかも」
大人の恋愛って,こんなものなの?それとも,相手が恋愛小説家の彼だから特別なのかな……?
彼は今まで交際してきた歴代の恋人とも,今日自分にしたようなことをしていたの?ううん,もっと……進んだこととか?自分が四年前に,春奈を授かった時にしたような?
「……考えるの,やめよ」
美優は,自分の思考がどんどんあらぬ方向に逸れていっていることに気づき,ポツリと呟いた。そして,首をぶんぶんと横に振る。
(ダメダメ!これじゃまるで,裕一さんがタラシみたいじゃん!)
タラシ=女ったらし。でも,彼は違うと信じたい。だって,好きになったから。
コワいのは彼自身じゃなくて,今日一日の展開が早すぎて,これが全部夢だったらどうしよう,と思ってしまうこと。
でも,現実に起きたことなのは明らかだ。
肩からトートバッグを提げた彼女の両手には,裕一と二人で買ってきた娘への贈り物の袋を抱えているし,スマホを見れば,連絡先を交換した証が入っているし。……それに。
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