4・初めての一夜……

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「美優,待った?」 運転席から降りてきた裕一は,いつもより大人な雰囲気を(かも)し出していた。夜に会うのは初めてだからだろうか? (しょ)(ぱな)からこれでは,今夜のこれから何があるかを暗示されてるようで,美優はイヤでも緊張してしまう。 「ううん,あたしもさっき出て来たところだから」 せっかく最近,打ち解けて話せるようになったのに。表情が(こわ)ばってしまい自己嫌悪(けんお)。 「もしかして,緊張してる?」 「……うん,少しだけ」 素直に白状すると,裕一は美優の肩を優しくポンポン叩いてくれた。 「はい,リラックス~☆肩の力抜いて。そろそろ行こうか」 「うん」 美優は深呼吸して,助手席に乗り込んだ。 「美優,明日バイトは?」 「休み。だから今日,大丈夫だったの」
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