4・初めての一夜……

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「――しっかし美優,今日は攻めてるね」 裕一がハンドルを握りながら,助手席の美優の服装やメイクにコメントした。 「ヘン……かなあ?似合わない?」 「いや,似合ってるよ。ただ,いつもより背伸びしてるかなーと思って」 「…………」 美優は(うつむ)いた。カッコ悪いし,なんだか恥ずかしい。初めてできた彼氏でもないのに,こんなに身構える必要なんてあるのだろうか? 「可愛いと思う。僕に会うために,背伸びしようとしてる君は。母親である前に,一人の女性なんだなって」 「えっ?あー……,うん」 どこまでいっても,この人は優しい。美優のオトメ心をちゃんと理解してくれているのだから。 子供を産んだのが,他の母親よりだいぶ早かっただけ。彼女はまだ二十歳になったばかりのうら若き乙女なのだ。好きな男性とのデートとなれば,気合いを入れてめかし込むのも当然である。
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