4・初めての一夜……

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乾杯をして,二人は各々グラスを傾ける。 「うん,美味し~い☆」 美優はグラスの半分ほどをグッと(あお)り,ウットリした。 「でもお酒強いと,酔ってしなだれかかる……とかはないかも。あんまり色気ないよね,それも」 「いや,別にそんなの求めてないから。っていうかそもそも僕が,酔っ払う女性って苦手でね。だから,美優がアルコール強くて助かってる」 「う~~ん,確かに女の酔っ払いって,同性のあたしでも面倒くさいかも」 友達と女子会で飲んで,泥酔(でいすい)されるのはなんかイヤだ。 「今度は僕ん()で一緒に飲もうか」 「うん,いいね」 お家デートなら,「車の運転があるからアルコールは……」なんて気にする必要はないし。最初から泊り目的なら,たとえ酔い潰れても(美優の場合はあり得ないだろうけれど)何の問題もないわけだ。 料理のオーダーは,裕一に任せた。(さいわ)い美優は嫌いな食材・苦手な食材がないので,何が来ても食べられる。
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