4・初めての一夜……

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「うん……」 たまには春奈(こども)抜きで,二人っきりでゆっくりデート。結婚してからも,たまにこんな機会が作れたら……。美優もそう思った。 「もちろん僕らの関係は,春奈ちゃんありきの関係だって分かってるけど。美優にだって生活に(うるお)いは必要でしょ?母親である前に,一人の女性なんだからさ」 別に春奈を(ないがし)ろにするわけではない。でもやっぱり,恋する気持ちだけは失いたくない。それが美優の正直な気持ちだ。 「じゃ,僕のマンションに向かうよ」 裕一が車のエンジンをスタートさせた。彼のマンションは六本木(ろっぽんぎ)にあるらしい。 「――あ,そうだ。裕一さん,あのマッチングアプリ,あれからどうしたの?」 今まで訊く機会がなかったことを,美優は思いきって訊いてみた。 「君と付き合うことにしてから,すぐに退会したよ。他の女性からアプローチかけられても困るし。僕には美優しかいないから」 「そっか。安心した」 「そういう美優は?あのアプリどうしたの?」 同じ質問が,今度は裕一から投げ返された。
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