4・初めての一夜……

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「裕一さん,お待たせ。シャワー空いたよ……ん?」 美優がリビングに戻ってくると,裕一の視線は自然と彼女の脚線美(きゃくせんび)に注がれる。それに気づいた美優の顔は,みるみる()でダコみたいに真っ赤になった。 (そんなに熱い視線で見つめられてもっ!) 裕一も男性なんだなあ。普段は紳士的な彼のこんな視線を感じたのは初めてだ。美優はちゃんと"女"として見られている。 「……ああ,ゴメン。じゃ,僕もシャワー行ってくるから。寝室で待ってて」 「うん……」 "寝室で"という響きが何ともアダルティーで,生々しい。 「――あ,そうだ。今のうちにお母さんに電話してみよう」 裕一がバスルームに消えると,美優は寝室にスマホを持ち込み,母のケータイをコールした。 『もしもし,美優?』 「あっ,お母さん?今大丈夫?」 まだ夜の九時前。そんなに遅い時間ではないけれど,美優は春奈の様子が気になって電話したのだった。 春奈の声が聴きたいけれど,この時間だとまだ起きているかどうかは微妙だ。
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