4・初めての一夜……

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「家に電話してたの?」 ベッドに腰かけていた美優の隣りに,()れた髪をバスタオルで拭きながら裕一が腰を下ろす。 シチュエーション自体は数十分前とそれほど変わらないのに,場所が寝室というだけで余計に生々しさが増している気がする。 「うん。お母さんのケータイに。春奈はお父さんにお風呂に入れてもらってるって。だから声は聴けなかった。でも,別にグズったりはしてないみたいで安心した」 「そっか……」 美優はベッドサイドに持ってきたバッグにスマホを戻した。 「――裕一さん」 「ん?なに?」 行為に及ぶ前に,美優は裕一に大事なことを言っておこうと思った。 「あたし,こういうことするの四年ぶりで。しかもちゃんと大人になってからは初めてで……。だからその……,あなたを満足させてあげられるかどうか……」 「うん,分かってる。大丈夫だから」 優しく頷いた後,彼は美優にキスをした。でもそれは,美優がこれまで経験したことのない濃厚で,甘いキス。
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