船と斧
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毎朝、私はキリコに餌をやる。 キリコとはデッキで出会った。潮風に耐えながら窓にしがみつく彼女に、私はたちまち夢中になってしまったのだ。 「密航者か」まにあわせの住処に収まったキリコを見せてあげると、玉木君はそっけなく言った。「不思議だな、野山から離れてるのに」 玉木君はこの頃、とても不機嫌だ。 無理もない。いつ着港するとも知れない船に乗せられている上に、親友の八井田君が姿を消してしまったのだから。
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