床から生える手に熱湯かけてやった話

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床から生える手に熱湯かけてやった話

848 :人目のお猫さまさん あたしは自他共に認める猫好き猫廃で、家にも8匹ほど猫を飼ってるんだけど。 ここ最近猫たちがやたらとピリピリしていて、私が触れようとすると牙剥いて割と本気で噛み付いてくるようなことがあったのね。 普段は穏やかで優しくてママみが溢れてるのに。慈愛の目で見てくる大天使たちなのに。 その原因はつい昨日わかった。 半年と少し前に、猫たちがのびのび暮らせるように少し広い部屋を借りたんだけど、どうやら曰く付きの部屋だったらしくて。 のんびり寝ている猫たち。それを見て癒される休日を過ごしていたら、視界の端に変なものが映った。 全体的に焦げたような、でも所々ぐじゅっと腐っているように見える、多分そこそこ歳のいってる男の手が前触れなくフローリングから生えてた。 流石にギョッとしたんだけど、その手は周りを探るようにふらふら、ゆらゆら揺れるだけでその場から動けないようだったから、ちょっと様子を見てたわけ。いざとなったら台所にある食塩まけばなんとかなるだろうし(塩の力は偉大)。 本当は騒ぎたい気持ちもあったんだけど、大天使たちがお昼寝している。つまり声は出せない。イコール謎の手も見守るしかない。そう思って、私は息を殺し動きを完全に止め気配を消して焦げた手を凝視していた。 ──その手が、ふわりと揺れた猫の尻尾を見つけ、食虫植物通って動きで尻尾を掴んで猫に悲鳴を上げさせるまでは。 849 :人目のお猫さまさん 気がつけば私は、猫の尻尾を掴んでる焦げた手を踏み潰し、尻尾を掴まれていた愛しの猫を救出し、即座に他の猫たちを遠ざけ、何が起こったかわからない様子の手にドボドボ熱湯をかけていた。 もともと3時のおやつの時間が近づいていて、猫パッケージが可愛い秘蔵の紅茶を飲もうと思っていたからお湯を沸かしていたんだけど。カッと頭に血が昇って、咄嗟に手を伸ばしたのがヤカンだったので、これでもかと熱湯をかけてやった。 近くにハサミか包丁があったらそれを突き刺していたかもしれない。床が傷つかなかったので悔いはない。 熱湯攻撃の効果は絶大だった。焦げた手はまるで生きてるみたいにのたうち回っていた。そのうちスゥッと変えていこうとしたんで、追い打ちにと食塩を袋単位でまいてやると、その姿は完全に変えてしまった。 熱湯と食塩と殺意の勝利だった。 私たちの楽園には平和が戻ってきた。 850 :人目の名無しさん ………? ………??? 851 :人目の名無しさん 急にグロ注意な手が生えてきたのは怖いんだけどなんだろうこれ…… お猫さまがホラークラッシャーして怖いのか怖くないのかわからない……脳が考えることを拒否する 852 :人目の名無しさん >>848が怖いです 猫に何かあったら何が相手でも熱湯かけてくるってことでしょ 近くに包丁あったら刺してくるってことでしょ 853 :人目の名無しさん 床から生える謎の手に同情した 854 :人目の名無しさん 焦げた手ってその場から動けない様子なんだよね 手だけが外に出れて、何も見えない中で手探りで掴まるものを探して、ようやく見つけたと藁にもすがる気持ちでいたら熱湯攻撃された……っていう地縛霊を想像した 855 :人目の名無しさん 地縛霊ならこの程度で成仏はしなさそうだけど 俺ならお猫さまが住んでる間は二度と現れません
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