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エピローグ
ねぇ、教えて? 約束ってなあに。
蓮の腕の中で問いかける。
「俺のこと、本当に覚えて無かったんだ?」
ちょっと口を尖らす貴方が私の額にキスをする。
「ANGELのオーディション!」
全くピンと来ない私の頬にキスが振る。
「今回より前。忘れるなよ」
前々回…… ANGELのオーディション……
「あっ。……えっ――!?」
思い出した。蓮といつ会ったのか。
「別人・・・」
その時は二人共に試験は散々で。
不合格が目に見えていて落ち込んでた。
「いつか一緒の舞台に立つ、約束したろ?」
まるで垢抜けない、もさっとした男の子だったのに。
そうだね、蓮。あの日指切りしたよね。
「夢を叶えようって言ってた!」
やっと思いだした私に、貴方が囁いた。
途切れた夢の続きを、二人で見よう――
【完】
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