ある日突然に

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 学生時代から夢ばっかり追いかけて、舞台に立てる女優さんに憧れて、恋とは縁遠く今まで来ちゃってた。  たまに告白してくれる人もいたけど、もしオーディションに合格できたら、やっぱりお付き合いは無理かなぁなんて思うと踏み込んでいけない。  うぅ。ぶくぶくぶく。お湯に半分、顔を埋める。 恋愛経験不足。私、このまんまで大丈夫かな。    風呂を上がって、リビングへ。自分の部屋には必ず通らないと戻れない。コの字形に並ぶソファに、蓮が一人座って、珈琲を飲んでる。  ボッ! 一瞬、自分の顔が赤くなるのがわかった。  私に気が付いて、斜めにこちらを向く蓮の視線と合わさる。着替えを胸に抱き締める私。 「お風呂もう空いてるから」  見ればわかるようなこと言って、完全に緊張してる。  だってさっき、下着……  「飲み終えたら、行くから」 蓮はまるで落ちつき払っていて、ちょっと悔しい。
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