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えーと、これはいったい、何が起きた?
「マジで覚えてないんだ?」
私を見下ろす蓮の顔が、なんとなく苛立って見える。
あんまり顔が近過ぎて、顔を横に振るだけで精一杯。わからないし覚えが無い。
蓮の眼差しが至近距離に近付いて、鼻がぶつかっちゃうんじゃないかって思った。
どうしてそんな瞳で見るの――? バクバク音を立ててる心臓がうるさい。
「七海」
なんで? 名前呼んだ――
驚きを隠せない私を見て、溜め息を吐いた蓮が身体を起こす。髪を書き上げて私から目を反らす。
「穂高さん? どうして……」
「蓮。それでいいよ」
言いかけた言葉を蓮が遮った。まだ心臓が波打ってるみたいに騒いでる。
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