ある日突然に

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 もう一度、蓮に話しかけようとした時、リビングの中央にある階段から足音が響く。  あ…… 蓮は何も言わずにリビングから出て行ってしまった。  階段から降りてきたのは、綺麗にメイクアップした梨花さんだった。彼女の部屋は、二階の真ん中。 「あら、七海ちゃん」 脚、細いなあ。デートかな、梨花さん。 「お出かけ? 」 「ん、行って来るわね」  行こうとした梨花さんが足を止めて振り返った。 「ねぇ七海ちゃん。さっきの彼、雑誌に載ってたわよ」 梨花さんの言葉がよく理解できなくて、首を傾げる。 「えっと、穂高くん。モデルの仕事してるんじゃないかしら」  え――っ! 限りなく悲鳴に近い心の叫び声。
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