ある日突然に

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「小悪魔みたい」 大人になりきれてない危うい雰囲気が、蓮から漂う。  小悪魔・・・ 瞬時、思い出す。  下着姿見られた! しかも押し倒された! 思い出したら、また顔が火を吹きそうに熱くなる。 『七海――』   呼び捨てにされたのなんて、いつ以来? ううん、正確にはたぶん無い。同年代の男性からなんて。  頭の中で、蓮の声ばっかり連呼してる。まいった。私、どうしちゃったんだろ。  トントントンッ――  「七海ちゃん?」 しばらく雑誌を眺めていたら、浩斗さんがリビングに降りてきた。長めの薄いセーターが細身の身体によく似合う。やっぱり素敵なお兄さん風。 「あー、これ。見た見た」 ひょっこり、雑誌を覗き込んだ浩斗さん。
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