ある日突然に

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「モデルさん、なんですか?」 「いや、バイトじゃないかな。彼本職あるみたいだし」  バイトでモデルデビュー? う、羨ましい。私なんてやっとやっと劇団見つけたばかり。 「格好いいよね、穂高くん」 浩斗さんが、私の隣に座り込んだ。そうですね、って相槌をしてまた雑誌に視線を落とす。 「好きな…… タイプ?」 頬にかかっていた、私の長い髪に。浩斗さんの指が絡んだ。 「え……」   無理、ドキッとして答えられない。こんなことする浩斗さん、はじめてだ。身体が斜めになって、セーターの襟の隙間にきれいな鎖骨が見える。
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