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「七海ちゃん」
見詰められて、顔が熱くなって思わず立ち上がった。
立ち上がった私の手首を、浩斗さんが掴む。
「逃げないでよ」
状況がまるでのみ込めない私。これをどう理解しろというのかな。
「ほら、座って」
グイッて引っ張られて、再びソファにすとんと落ちる。
「まだ聞いてないよ。穂高くんタイプ？」
どうして聞くんだろ？ じゃなくて。顔が近過ぎるの。浩斗さんてばぁ……。
「か、かっこいいですけど……」
浩斗さんに憧れてるのに。とは言えなかった。
「けど、なに？」
ちょっと首を傾げた浩斗さんの顔が、私の顔を覗き込むように近付いて、耐えきれなくなった。
どきどきしてしまう。
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