462人が本棚に入れています
本棚に追加
甘い…… 浩斗さんて優しい表情する。空気が柔らかくなるみたい。
「お芝居はどう?」
「来週から稽古が始まるんです」
他愛もない会話が少し交わされて、浩斗さんが不意に黙った。
浩斗さんの腕がスッと伸びて、私の長い髪にふれる。だ、だからそれっ。ドキッとする原因なのに。
ほらやっぱり。見ると浩斗さんの瞳はちょっと笑ってるし。
「本当だ、無防備だな。七海ちゃんは」
「えっ……」
やだ、さっきの蓮との会話、聞かれちゃってた?
扉越しならキスしてたのはまさか見られてないはずだけど……
どんな顔をしたらいいのかわからなくて、戸惑ってしまう。まだ浩斗さんの指が髪に絡んで来る。
「あの……っ?」
なんて言ったらいいのかわからない。
最初のコメントを投稿しよう!