始まりは不意に

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 きゃ……っ…    絡んでいた指がグイって首を引き寄せる。浩斗さんの顔に限りなく顔が近付く。  近い、近すぎて固まりそう。近くて息がかかっちゃう。たぶん七秒くらい見つめ合っちゃった?  切れ長の瞳、通った鼻筋。う、近すぎる。首にかかる手が熱い。 「襲ってもいい?」  浩斗さんの唇が(ささや)く。 ――ボンッ。私の心臓は耐えられない。 「冗談過ぎます、浩斗さんっ」 後ろへ思わず飛び跳ねてしまった。    浩斗さんは口元を上げて優しい表情して私を見てたけど、すぐに立ち上がった。 「鍵は忘れない様に」  じゃあ…… って。部屋から出て行く。  へなへなだ。何が起きてたんだろ……
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