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「来たか。穂高くん」
ストレッチを終えた蓮に三坂先生が声をかける。
「じゃ、そろそろ読み通しで」
個々で台詞の練習から、メンバー全員での読み上げに変わった。
蓮の声が発せられた瞬間 ――空気が変わった。
透き通ったよく響く声。整った顔立ちから出てくる声が耳に残る。ざわついた室内にいながら、やはり目を惹く。
蓮って…… 何者なのよぅ。クレープ食べたいって大騒ぎしてた人と別人みたい。
「かっこいいよねぇ、穂高くん」
寧々ちゃんの瞳がきゃっきゃっしてる。
格好いいけどさ、格好いいけど。……蓮ばっかり目が追ってしまって困る。
「七海、タオル貸して」
もう、認めないわけにはいかないみたい。私、蓮に惹かれ始めてる。
浩斗さんへ憧れてる気持ちと違う。蓮を見てるとふれたくなる。
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