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「蓮、約束ってなあに?」
陽は沈んで、いくつかの星が見え始めていた。
「言わない。思い出して」
差し出された蓮の手をとって歩き出す。
好きだよって、言ってくれた。外は寒かったけど心がぽかぽかしてる。
問題はシェアハウスに起きてた。
蓮と二人帰宅をしたら、まさかの怒鳴り声が玄関まで聞こえてくる。どうしたのかとリビングに駆け込んだら、泣いてる梨花さんと、立ち上がったまま険しい顔をしてる茂木さんの姿。
状況が呑み込めなくて、とにかく梨花さんに寄り添う。
私と蓮がリビングに入って来て、気まずくなったのか、茂木さんが外へと出て行ってしまった。
「追わなくてもいいんですか?」
後ろにいた蓮が、梨花さんに尋ねる。
「足が……」
転んだ時に捻ったらしく、動けない梨花さん。
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