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「茂木さん、探してくる」
蓮が言うなり玄関を飛び出して行く。
「立てますか? 梨花さん」
ソファに座ってもらおうとしたら、部屋に戻りたいと言われて、梨花さんの腕を支えて二階へ。
滅多に上がらない階段を上がる。
二階の真ん中の部屋が、梨花さんの部屋。シングルソファに腰かけてもらって、近くにあったティッシュの箱を手渡す。だってまだ、梨花さんの目には涙が潤んでる。
「何が…… あったの? 梨花さん」
あんまり聞いちゃいけないかな、そう思うけれど。
「……赤ちゃんがね、できたの」
考えてもいなかった言葉に、息をのんだ。
えーと、つまり、この状況からすると。相手は茂木さん……?
「ん、察しの通り。大智くん」
どう答えたらいいのかわからなくて、梨花さんの前に座り込んだ。
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