ある日突然に

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 リビングルームには既に、梨花さん、浩斗さん、それに帰って来たばかりの茂木さんが揃ってた。 「お帰りなさい、茂木さん」 茂木大智(もぎだいち)さん。たぶん、梨花さんと同じ歳だったかな? 真面目そうな優しい空気の人。  「あれ? 新しい方は?」 皆と一緒にソファへ腰掛ける。1人足りない。 「さっき部屋に。すぐ来るよ」 そっか。だから隣から音がしてたんだ。  薄くは無いけど、さすがに一軒家の造りだから、大きな音を立てると聞こえる。携帯電話で話してたりするぶんには声までは聞こえてこない。    浩斗さんがなにやら書類に目を通してる。 「今度入居したのは、七海ちゃんと同じ歳らしいよ」 おっ。入居以来、はじめての同じ歳の人が来た。  「穂高――」 浩斗さんが言いかけた時、一斉に皆の目が1箇所に集中した。リビングの奥の扉が開く。
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