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「一緒に舞台に立つ! 決まり」
パラッと1枚台本を捲ると、応募要項のプリントが挟まれていた。……応募締切、過ぎてる。
「もう申し込み済んでる。早瀬七海で」
・・・もう一度、叫んでもいいでしょうか。
「いつの間にっ」
台本から顔を上げた瞬間、蓮の口がくっついた。とても軽くふれるだけのキス。
わなわなした私と、悪戯に笑う蓮。
「この台本は難しいよ。テーマが愛になってる」
さっきは背中を抱き締められていたから、見えなかった蓮の表情がよく見えた。
どうしてそんなに刹那い瞳をするの? 眼差しは柔らかく私を見つめているのに。
でもその眼差しは反則ものなんだってば……
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