逢魔が時

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 そんな時だった。事務所の方から連絡が来たのは。 「新しいオーディション?」 いつもエキストラぐらいしか連絡してこないのに。今日はちょっと違ってた。 「三坂先生からも聞いてるよ。頑張ってるんだって?」 言いながら渡された書類は、二枚。 「わ。どっちも役名がある!」 「どうする?」 「受けます。申し込みお願いします」 小さな舞台でもいいから、やってみたい。    だけど――  逢魔が時が訪れていたことに、私は気が付いて無かった。私がきっと世間知らずで、何も知らない子供だったから。
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