叶えたい

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叶えたい

  次の週から稽古は開始された。場所は自社ビルの中の一室のまま。お芝居って、ホールの舞台で稽古をするイメージがあったけれど、それは一軍の役者さん達のみだと知る。    舞台公演に関しても、ひとつ驚きがあった。劇団ANGELでは年に二回、定期公演があるのだけど、出演者がチケットを売りさばくノルマらしきものがあるという。これは同じグループの寧々ちゃん情報。 「好きなことをやるのも、なんだか大変ね」 そう言ったら、寧々ちゃんはあっさり答えてた。 「人気が出たらいいのよ。話は変わるわ」 舞台に出して貰える役者じゃなく、舞台に出て欲しい役者になれば待遇が変わる。  理解はできたけど…… ちょっと複雑。蓮の顔が浮かんでしまったから。  『ただ貴方ひとりだと――』 私の部屋で台本を読み上げた蓮。ほんの僅かな時間に蓮に目が奪われてた。三坂先生が蓮を誘って来たっていうのが納得できてしまう。
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