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『取りあえず説明はここまでだ。では、頑張って七宝玉を集めてくれ』
「ちょっと待てって。まだやるとは」
『やらないのか?』
「というか、どうせ実はドッキリでしたってオチなんだろ」
画面に文字は現れなかったが、そいつのため息だけは聞こえたような気がした。そして少しの間をおいて、再び語り始めた。
『‥‥‥いいのか?』
「は?何が」
『人類が滅びるって事は、松原君の大好きな美也という娘も死ぬのだぞ。いや、あるいは女だけは生かされて、その娘も大魔導士イオザドの慰みものに‥‥‥』
「ちょ、ちょっと待てって。その言い方は卑怯じゃないか」
まさか俺が密かに思いを寄せている美也ちゃんの事までお見通しだなんて。少なくとも自称神様ってのも、あながち嘘じゃないのか。
だとしたら、これまでの話も全部本当の事なのか?
「なあ、一つ教えてくれないか?」
俺は、ふと胸に浮かんだ疑問をぶつけてみることにした。
「あんたが本当に神様だったら、別にこんな事しなくても、ちゃっちゃとそいつをやっつけてくれればいいじゃんか。どうしてこんな七面倒くさい事を?」
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