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「じゃ、じゃあどうして‥‥‥」
俺の声は、この時微かに震えていたように思う。今まで気にも留めていなかった事に急に気付かされたせいか、唇が思うように動かなかった。
『そうは言っても、人間はイオザドや他の生き物にはないものを持っている。それは「良心」だ。まあ、全ての人間にあるとは言い難いが、逆に言えば「良心」を持つ者もまた、あまたいるのは事実だ。だから、私は好機を与えてやろうと思ったのだ』
「で、でもそれを俺一人で?」
『心配しなくても、七宝玉を集めていくうちに、仲間は増えていくだろう。それをお前達は「パーティー」と呼んでいるようだが』
随分とRPGに詳しい神様だな。俺でもよく知らないというのに。
「で、その仲間ってのはいつ出来るんだ?何人くらい?」
『残念だが、質問は一切受け付けない』
「なんでだよ。今さっきの質問には答えてたじゃんか」
ーーはぁ‥‥‥--
画面の文字は浮かばなかったが、確かに自称神様がため息をついたのが聞こえた。
『さっきのは質問に答えたのではなくて、説教しただけだ。因みに聞きたい事があるなら、さっさと七宝玉を集めることだな』
「集めたら終わりじゃんか」
俺がそう言うと、いきなり画面いっぱいに文字が浮かんだ。
『違う!』という、大きな文字が。
『違う!一個回収する毎に、私に質問する時間が与えられるのだ。ただし、一個集める毎に七分だけだがな』
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