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『では、中途利有を始めるぞ。ここからは文字案内はなく、私の音声のみとなるから、聞き逃すなよ』
そう言うと同時に、画面の文字が徐々に消えていき、画面は地図へと変わった。
画面の一か所が点滅している。これが宝玉の位置か。
って、ずいぶん近い。
俺はあたりを見渡した。
『おい、どこを見ている。お前の足元をよく見てみろ』
言われて下を覗き込むと、そこにはビー玉のような小さく透明な玉があった。
「ま、まさかこれ?」
俺はもっと大きな、野球ボール大のものを想像していた。だから足元のそれには気付かなかった。
俺はその場にしゃがみ込むと、その玉の上に留まっているアリを指で弾いて拾い上げた。
『お、おお、お前』
何やら自称神様が動揺している。何かあったのか?
『今のは、イオザドの配下のものではないか。それを指先一つで飛ばしてしまうとは』
「え?もしかして今のアリがの事か?」
『いや、今のは間違いなく魔族の一体。すでにこの地球にもイオザドの部下が』
心なしか、自称神様の声が高ぶっているような気がした。
あれは本当に魔族なのか。だとしたらイオザドって奴も大したことないんじゃないのか?
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