これまでのいきさつ?

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『君はゲームを始める時、オープニングデモをとばすタイプだな。私の話をちゃんと聞いてたか?地球を救えるのは君だけだと言っているだろう、松原君』  ゲーム機だと思っていたそれは、いきなり俺に話しかけてきた。しかも名前まで知っている!!  俺は降ろしかけたそれを再び胸元まで戻すと、画面を再び覗きこんだ。 『鳩が豆鉄砲喰らったような顔をしているな』  豆鉄砲ってなんだ?いや、そんな事より、これは一体どういう事だ。AI機能でもついているのか。いや、それなら何故俺の名を知っている? 『君は高校受験の時に、ここで合格祈願の絵馬を書いただろう。君の事はよく覚えているよ。その後も良くここに足を運んでくれているし』  何が起こっているのか見当もつかず、言葉も出てこない俺に、それは一方的に話を続けた。 『松原君は運がいい。なぜならこの解得夢(げえむ)機を手にすることが出来たからだ。そして君なら出来る。七宝玉を集め、人類を救う事が』 「だ、誰なんだあんたは」  やっとのことでそれだけ言うと、それは誇らしげに答えた。 『自己紹介が遅れたな。私は神だ。と言っても別にこの神社の神というわけではない。私は、この宇宙全体の魂そのもの。松原君にも解るように説明するとだな、山には山の神、トイレにはトイレの神がいるだろう。同様に、宇宙には宇宙の神がいる。それが私だ。そして私は、八百万(やおよろず)の神々の頂点にいる』
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