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急にそんなこと言われたって、普通信じるか?しかもどう見ても携帯ゲーム機にしか見えないこんなものの言う事を。
いや、アニメやゲームの世界の主人公になら、見ているこちらも「信じろよ!」って思うよ。でもここはファンタジーの世界ではない、リアルな日本の三重県の、しかもさほど有名でもない荏田市内だぞ。
『信じられない顔をしているな』
「信じられない顔じゃなくて、信じられないって顔だろ!」
自慢じゃないけど、俺は不細工じゃないぞ。先日だって一個下の女の子に告られたばかりだっていうのに。
『まあどちらでもいいじゃないか』
ちっともよくない。
『よいか、松原君の使命は、この地球を救う事だ。これから私が、その方法を説明してあげよう。一度しか言わないからよく聞くのだぞ』
「それって、ゲームの中の話だよな?悪いけど俺はRPGには‥‥‥」
俺はそのままそれを元の場所に置いて、さっさと帰ってしまおうと思った。こんな、人に話しかけてくるゲーム機なんて気味が悪い。
そう思った矢先、突然辺りが眩い光に包まれた。
俺は思わず空いた方の腕で、顔を覆いながら目を瞑った。
それから恐る恐る目を開けた。
「な、なになに?!なんだこれは」
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