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『いや、別に誰でも良かったんだが‥‥‥』
かっちーん!ムカッときた。
俺のワクワクドキドキを返せ!
「だ、誰でもいいんなら、俺でなくてもいいじゃん!」
『いや、それがそうでもないぞ。この解得夢機が見える人間自体は限られているからな』
おっ、それっていわゆるピュアなハートの持ち主とか正義感の強い少年とかっていうあれか?
『これは微妙に欲のある少年にしか見えないんだよ』
かっちーん!ムカッときた。
お前が純粋だからとか、嘘でもいいから言えよ。まあ嘘になっちゃうけど。
「そ、そ、そんなの、俺くらいの奴らなら誰にでもあるじゃんか!」
そりゃあ俺だって、欲しいものもあるし、クラスメートの美也ちゃんの太ももに見惚れることもあるよ。でも、そんなの普通じゃん。
『まあ、話は最後まで聞け。いいか、この七宝玉が集まった暁には、大魔導士イオザドを封印することが出来る。そして、それを成し遂げた者には、ご褒美を与えられる』
ご褒美‥‥‥つまり?
『どんな願いでも、一つだけ叶うのだ。どうだ、最高のご褒美だろう。しかし余りに欲深い者では、とんでもない願いをしかねない。そうだろ?この世を征服したいだの、世界中の女を俺のものにしたいだの、そんな願いを言われたらどうする』
あ、ああ、そういう事ね。だから微妙に欲のある少年か。って、全然褒められてる気はしないけど。
『だからと言って、欲の全くない少年では、そもそもやる気にもならないだろう』
「つまり、俺なら小さな願いで済ますだろうって?」
『そういう事だ。例えば「ギャルのパンチー欲しい!」とかな』
かっちーん!ムカッときた。
俺は布切れには興味はない。
「そんなもん、いるかよ!」
『まあ今のは物の例えだ、気にするな』
気にするわ!!
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