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『オチも付いたところで説明を始めるぞ。一度しか表示されないからよく聞きよく読むように』
オチって、神様でも冗談を言うのか?さっきからのやり取りにイライラしている俺を気にするでもなく、自称神様は一方的に話を始めた。
機械の使用方法、俺の使命?など、一通り説明しているそいつの言葉を目で追い耳で聞きながら、俺はまじまじとその機械を見てみた。
これ、本当はただのゲーム機なんじゃないのか?A・B・X・YにL・R、よく見るとZやスタート、セレクトまである。
『とはいえ心配することはない。松原君のように特筆した能力がなくても探せるような場所を選んで散らばっているはずだからな』
かっちーん!ムカッときた。
確かに俺は、ずば抜けて頭がいいわけでもなければ、運動神経だって可もなく不可もなくだけど、それをあえて強調しなくてもいいじゃんか。
「悪かったな、特筆した能力がなくて」
『いや、そういう意味ではなくてだな‥‥‥』
やっと俺が不機嫌な事に気が付いたのか、自称神様のトーンが少し穏やかになった気がした。
『例えば君は、日本海溝の底、一万メートルの海底に潜れるか?』
「む、無理に決まってんだろ」
『雪深く鋭利な槍ヶ岳の頂上に登れるか?』
「あんた、わざと言ってないか?」
『もちろん、わざとだ』
かっちーん!ムカッときた。
やはりこいつは、ただ俺を揶揄って楽しんでるだけじゃないのか。
「もしかして、ばかにしてんの?」
『そうではない。ただ、特別な訓練を受けていない一般市民でも探せるような場所に七宝玉はあると言いたかっただけだ』
な、なるほどそうか。でも、言い方ってものが‥‥‥
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