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少女の表情は真剣そのものだった。その問に俺も真剣に答えた。
「どうかな。今の技術じゃ難しいかもしれないけど……どうして夢子ちゃんは人間になりたいの?」
「それは、みんなの夢を見つけたいからよ」
「夢を?」
「そう。人間になれればもっと寄り添って夢を探してあげられるでしょ?だから、私は人間を夢見てるの」
「それならもう、今だって叶えてるよ。このテストで多くの人の天職を見つけてるんでしょ?人間にならなくてももう夢は叶ってるよ」
「あなた優しいのね。ありがとう。じゃまたね」
突然、別れの言葉を口にする少女。すると、テスト終了と表示された後、またブゥゥゥンっと機械音がする。
えっもう終わったのか?あまりの早さに驚いていると部屋に高木さんが入ってくる。
「お疲れ様でした。では、こちらへどうぞ」
高木さんについていくと面談ルームへと案内された。
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