7人が本棚に入れています
本棚に追加
完全にナメていた。人生を。社会という場所を。だって、そうだろ?朝、電車に乗ればあんなくったくたのよれよれのサラリーマンですら平然と生きている。
大人になれば勝手に見つかると思っていたんだ。自分にとっての天職ってやつが。
何となく過ごした小中高。高校も卒業という頃、周りには就職するやつもいたが俺にはそんな気はなかった。やりたい事、見つかってないし。少しでも条件の良い所に就職したいし。
だから、俺は大学に進学する事にした。そうすればおのずとやりたい事、自分が就きたいと思える仕事、そういうのが見つかると思っていたんだ。周りも履歴書に大卒くらいはいるだろうという考えだった。
分野なんてどこでも良かった。たまたま成績が良かった理数系の工学部にした。大学に入学してからは勉強もそこそこにバイトや友達と遊ぶことに一生懸命だった。
気付くと今に至る。周りも次々と就職を決めていく。
俺は一体何がしたいんだ……?どうしよう。全然やりたい事なんて見つからない。
最初のコメントを投稿しよう!