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受付の女性に案内され、部屋に入るとまた別の女性がいた。
パッと見た印象はキャリアウーマン。端正な顔立ち。パリっとしたスーツに決まった髪型。伸びた背筋。オーラすら見えそうな程に、俺には輝いて見える。そして、何しろ若い。俺とあんまり年齢も変わらないんじゃないかと思わせられる。
「初めまして。本日、朝日様を担当します高木と申します。よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
不自然な広さに何もない室内。てっきりテーブルと椅子があって面談でもするかと思っていたがそうではないらしい。
「早速ですが始めましょうか。こちらの部屋は職業適性診断テスト用の最新VRルームとなっております。まず、朝日様にはこちらでテストを受けていただきます。その後、結果を踏まえ就職アドバイスと就職斡旋という流れになります」
VR?なんだかすごいな。一体、どんなテストなんだろ?
「テストは100の問に答えるものとなります。開始後は音声ガイダンスに従ってください」
「えっ100?結構多いんですね」
驚きのあまり声を出すと高木さんはクスッと笑って答えた。
「皆様驚かれるんです。一応、100用意しておりますがAIが診断終了と判断すればそこで終わりです。ほとんどの方が半分もいきませんよ。それでは失礼致します」
「そうなんですね。分かりました」
高木さんが部屋を出ていくとブゥゥゥンっと機械が起動するような音がした。
いよいよか。なんか、ちょっと緊張してきたな。
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