エピローグ2

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エピローグ2

息子のすすり泣く声が遠くに聞こえる。 わたしの体はいまたくさんの管に繋がれ動こうとしても動かない。 「母さん…………まだいなくならないで。」 そんな声ももはやぼんやりとしか聞こえない。 その隣は義理の娘が嗚咽を洩らしている。 「お母様……」 その子の腕の中にはわたしの孫がいる。 その子はこの状況を理解できるわけもなく無邪気に笑っている。 対して私は体は動かない。涙だけがこみあげてくる。 「ごめんね。そしてありがとう。おかげで夢だった孫に会えた。夢を叶えてくれてありがとう。私は一足先にあの方のもとに………」 ピーピーピー 最後に三人に見送られ私の命は終わった。
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