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「わりーな、突然。だってお前、学校じゃ喋ってくんねーし」
言いながら冬馬は、コンビニの袋から次々と酒やらつまみやらを取り出し、テーブルの上に並べていく。
「いや、あの、何でここが……?」
「前に、住んでるとこ教えてくれたじゃん。てか、うっかり口滑らしたっつーか。で、駅の近くだって言うから、適当なアパート探してたら、偶然お前が窓から顔出したってわけ。わかんなかったらLINEしようと思ったんだけど」
そんな曖昧な情報を頼りに訪ねて来るとは……。
冬馬の行動力が恐ろしい。
「そっか。わかった。じゃあ次の質問。僕に何の用?」
「はぁ?」
一旦手を止め、冬馬は不思議そうに僕を見上げた。
「友だちの家に遊びに来るのに、理由なんているの?」
「と……友だち……?」
「友だちだろ? 俺ら」
「えっ……?」
「違うか?」
「いや、あの……」
「『僕に構うのはやめてくれ』……だろ?」
「あ……」
「俺ね、結構傷ついちゃったよ、ガチで」
冬馬の顔が、悲しそうに歪む。
「ごめん。だって……」
僕の言葉を遮ると、冬馬は悪戯っぽくニヤリと笑った。
「でも俺、諦め悪いのが取り柄だから」
……なんか、状況が、うまく、吞み込めないんですけど……?
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