10、エロイことに繋がるとはだれも考えていない件

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10、エロイことに繋がるとはだれも考えていない件

「...なんで、いきなりマネージャーまで柔軟をしなくちゃいけないんですかっ!」 陸上部のマネージャーは俺以外にもいて、みんな部室の前に張り出されている一枚の紙を見て、驚いている。 「マジで?! 俺、身体がすげー硬いんだけど。」 ...。 これって、もしかして、俺のせい? こんな会話をした覚えのある俺は、冷や汗たらたらと流しながら周りの奴の愚痴を聞いていた。 「よーしっ! 今日から新しいトレーニングを始める。  専属の部員についているマネージャーも、ある意味、一心同体。  選手の気持ちを少しでも理解できるよう、試験的に導入を試みることにした。  始めは苦しいかもしれないが、無理のない範囲で行うことが一番だ。  選手も、自分がどういう所を見られているのかを分かる機会でもある。  よく見て、自分と垂らし合わせて、また、練習の糧としてほしいと考えている。  以上だ。  では、開始っ!」 顧問の先生が説明を終え、みんなしぶしぶ行う様子だ。 俺は先輩と目があったけど、バレるのが嫌で、距離を取れるまでまっていた。 「...これって先輩のせいっすか?」 先輩と俺は向かい合わせになっていつも先輩がしている順番で運動を始めた。 「それがな、意外なことに他の部員からも同じような意見が前から出ていたようだ。 顧問としては、少しでも部のレベルが上がるのなら方法を手探りで見つけてみようと思ってるんだろう。」 ひとまず俺のせいだけではないと聞いて一安心。 さっそく先輩にゆっくりと背中を押されながら柔軟をしていたら、耳元で言われた。 「...これで、エロイことするとき、お前も筋肉痛で困らないな。」 「...ほら、もっと足を開いたら...」 ...先輩、耳元で言うのは、なしですよ。 思わず思い出しちゃうじゃないですか。 顔を真っ赤にした俺の様子に、勘違いした他の部員が慌てて柔軟体操をやめさせるまで、先輩の地味な言葉攻めが続いたのだった。
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