11、予定変更のあとは

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11、予定変更のあとは

陸上部の大会は年に4回ある。春季、夏季、秋季、冬季とあるんだけど、今は春。 地区予選に向けての練習が行われている。授業が終わってから部活が終わる時間までの数時間が練習時間だ。 「...あ、黒澤先輩からメッセージが。ん? 帰り? OKですよっと。」 先輩から部活で使うシューズや練習着を見に行くから付き合えとメッセージがきた。 これは、俺にとってウマウマな話だろう。 なんせ、靴を履くときの時の片足をあげた時や、しゃがみ込んで靴ひもを解いたりするときの太もも。 想像しただけでもムラムラとしてくる。 先輩からメッセージが届いたのは昼ご飯の後。 もちろん、その時間から俺は先生の話より先輩の事を考えてたのだった。 「先輩...。俺、ずっと考えてたんですけど、話を聞いてくれます?」 黒澤先輩とショップに向かいながら俺は自分の考えを聞いてもらおうとした。 「なんの話? 一応、ここは外だから場をわきまえる発言なら許可しよう。」 先輩の一言で俺は周りを見た。 夕方だというのに、人気が多いのは一応、都会だからね、この辺りは。 「...わかりました。ずっと今日、考えてたんっす。 先輩の事。」 先輩は一瞬だけ俺の方を見て静かに話を聞いていた。 「...先輩の事ばかり考える俺って、先輩の事が好きなんだなとは思ってるんです。 でも、先輩の身体の事を考えると...「ちょっと待て。」 ―?! 話を止められた俺は先輩を見た。 あ...先輩...顔が真っ赤。 「...南沢、お前、自分が何言ってんのかわかってる?」 ん? 先輩の事を好きだって言ってるけど...。 深いため息をついた先輩は、方向をいきなり変え、俺の腕を掴んで歩き出した。 「ちょっと、先輩、お店に行くんでしょ? どこに行くんですか?!」 先輩の行動にいまいち、理解できていない俺は先輩に向かって言った。 グイグイと先輩は道を歩いていく。そして、駅の近くにある図書館の裏側に向かって歩き進めていく。 「先輩? ここって立ち入り禁止の場所じゃ...」 「あぁ...それは大丈夫。 ここ、一応普段でも入れる場所で俺の読書スペース」 ―?! 先輩の読書スペース。 はっきり言って屋外。 しかも、人が歩く気配もなく、どこか不気味な雰囲気さえ感じる。ここがいつも利用している図書館と同じ敷地内とは思えないほど、寂しささえ感じた。 「...先輩、こんな場所で本を読んでるんですか?」 「うん、まぁな」 どうして、家で読まないんだろう。図書館で読むこともできるのに、なんで? 先輩の中でゆっくりと心を落ち着かせれる場所が家ではないのは分かった。 先輩は、建物を照らすために設置された照明のこぼれた光が残っているとある場所で足を止めた。 ―! そこには、小さな椅子が置かれていた。 「ここの掃除をしているおじさんに見つかったことがあるんだ。 で、直に尻をついて座ってたらこれを持ってきてくれた。 この椅子が出てるってことはおじさんがたぶん図書館の中にいるんだと思うんだけど、俺専用の椅子な。」 先輩は椅子の横に肩にかけていた鞄を置き、椅子に座った。 そして、俺の方を見て、無言のまま自分の太ももをペチペチと鳴らしてる。 ...? 「ミナミ、お前ってどうして俺の触れてはダメな場所にズカズカと入ってくんの?」 先輩が怒ったような言い方をしたから、俺は、キュンっと胸の中が凍った。 あれ...俺って、無神経なこと言ったの? 今日の先輩は変だ。 でも、俺の方がもっと変だ。 「...ご、ごめんな「あぁー、わりー。怒ってるんじゃない。」 ―? 先輩の顔を見ると、照れてる? 俺の手を握って俺を膝の上に乗せながらぎゅっと抱きしめた。 そして、 「...あんなにたくさん人がいる場所で、俺の事を好きだとか言うなよ...」 あ、そういうこと。 「...ごめ「どうせ言うんだったら、俺だけの時に言えよな?」 ―?! 思わず先輩の目を見てしまった。 すげー近距離。 「...だって、先輩の事が好きでエロイことを考えてるって気づいたの、俺。  今日なんて、どうして先輩のエロ下着を想像するのか考えたんだけど...」 チラリと先輩の顔を見て俺は小声で言った。 「それを穿いてる先輩に...エロイことをされたい......ん?!」 ちょっとだけ恥ずかしいから俺は視線を下に向けた。 すると、良い場所にあるのだよ、先輩のセンパイが。 あ...。 俺は先輩が素知らぬふりをしてるから、ちょっとそれを崩したくなった。 モソモソ、スリスリ。 「っ!!」 ピクンと身体が反応する先輩。 さっきまでのしっとりとした2人だけの空気から一気にエロイことをしたくなる空気に変わった。 ギギギっと音がなりそうな先輩の厳しい目。 たぶん、「ミナミ、お前、こんな場所で何してんだっ!」って言ってる。 俺は先輩の膝から降りながら上着を脱いだ。 そして、先輩の足を割って入って先輩の張ってるところにスリスリと頬をくっつけた。 ―! 「ミナミ、お前っ、ちょっとっ!」 「先輩? いくら人が来ないって言っても、大きい声出したら、誰か来ちゃうよ?」 口元に人差し指でシーっと言いながら俺は窮屈そうな場所を解放に向けて動いた。 先輩だって、慌てるそぶりはしてるけど、この先の事を考えたら、強く出れないってのも知ってる。だって、これって男のロマンじゃんっ! まぁ、一応、見つかったときのために誤魔化すアイテムとして俺は自分の制服の上着を頭からかぶった。 ブルっと下着から飛び出してきた先輩のセンパイ。 部活帰りだから、先輩の匂いが濃いと思う。それを考えただけでも、興奮する俺って変態? 先輩が喜びそうなことをたくさんした。ハズいけど、センパイを口に含んで先輩を観たり、舌を出して見せるようにチロチロとしたり。...ドキドキと胸の中が騒ぐけど、それは先輩が気持ちがいいって顔をしてるし、身体に力が入ったときとか、あぁ、先輩、気持ちいいんだって思う。嬉しいじゃん。 自然と涙が溢れてきて、それが流れた時に先輩が指で拭ってくれたら、ふにゃって顔になる。 すき...すき。先輩の事、すごく好き。 優しいところも、意地悪なところも好き。 そんな気持ちが溢れた。 「...ミナミ...も、う...出るから...はなっせ...」 さっきまで頭をなでなでしてくれてたのに、先輩は俺の額を後ろに押して距離を置こうとする。 ...先輩、俺の事、考えてくれてるってわかるじゃん。 だから、調子に乗っちゃう俺。 先輩に負けるわけにはいきませんっ!っていう感じで俺は先輩の服を掴む。 焦る先輩、必死な俺...。 勝者、俺様。 「はぁ、はぁ、はぁ...」 息が乱れた先輩ってすげー好き。余裕のない本当の先輩がモロに出てるじゃん。 ごくりと音を立てながら先輩は息をのみ、 「...バカ、早く口からそれを...」 先輩が俺の口元に指を置き、中の物を吐き出させようとした。 でも、俺は先輩の手を解き自分の口元に手を置いて眼を閉じた。 ...ま、まずい...。 ロマンはごっくんなの。 でもね、俺は... 「ゲホゲホ...」 急いで後ろの方の植木に向かって口の中の物を出してしまった。 ごめんなさい、色んな人。...俺のスキルはまだ乏しいぜ。 「ほら、無理をするから...」 先輩は鞄の中から飲み物を出して渡してくれた。 「...ロマンが...」 涙を拭きながら俺が呟いた一言は先輩を喜ばすポイントとなったようだ。 「ふふふ、うん。 でも、ミナミが苦しいのや辛そうにしてるのは、俺、見たくないからね」 キュゥゥゥーンっと、心の中が疼いた。 「...先輩、好き」 ふふっと笑いながら先輩は屈んで俺にキスをした。 (おまけ) 意地悪をしたくなった俺は、まだ、苦みが残る自分の唾液を先輩に渡しちゃった。 先輩に届け―って思いながら先輩が上に向くようにキスをして、唇を離したら、先輩の顔がまずそうな顔をしてた。 「...まっず」 ふふって笑っちゃった。
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