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SPオマケ、最終回
スペシャルオマケ。
注意・・・このお話は、由真の兄に車の中で問い詰められる形となった黒澤先輩のお話です。ただただ、お兄さんが由真からの高評価を得る為だけに由真の彼氏である黒澤を取り込もうとしているとか...していないとか。結局、兄も由真にデロデロ。
「…黒澤君って、由真のナニ?」
由真がきっかけで由真のお兄さんとも親しくなり、俺は時々、事あるごとに色んな所に遊びに連れて行ってもらった。
あ、由真のお兄さんは付き合っている彼女が海外に出張に行ってるから、遊び相手がいないという口実で、連れまわされてる。
ドライブに連れて行ってもらって、綺麗な景色をスマホで撮っては由真に送る。
そんなことをしていたら、気付かれてた。
「えっと...。」
濁す俺を放ってお兄さんはハンドルを握ったまま話し出した。
「由真に、よく冗談半分でいろんなエロイ物を持たせてたんだけど、あれ、全部男もんなんだよねぇ...。」
俺の背中に、汗が滝のように...。
気付かれないように、さっき買ったばかりのコーヒーを飲みながら窓の外に視線を向ける俺...。
「しかも、彼女とかできてるとは一言も言わねーのに、付き合ってる奴がいるとか、微妙に言葉を変えてんの。...黒澤君、もしかして、あいつと付き合ってたりしてる?」
お兄さん...、俺、逃げ場がねーんすけど。
ま、いずれはバレるとは思ってたけど、考えてもいない方向で、ちょっと、覚悟が出来てない。でも、嘘はつきたくない。
「...そうっすね。 お付き合いさせてもらってますよ。
すげー大切過ぎて、俺も、自分が怖いぐらいっす。
…やっぱ、そう言うの、嫌っスか?」
折角、親しくなれた気がしてたけど、受け入れることができない人もいるって、頭の中では理解してる。
でも、お兄さんは違った。
「...いや。
すげー羨ましい。 だって、男女でも恋愛って難しいのに、同性なんて本当に試練ばかりじゃん。
あぁ...、そっかぁ。
俺の弟は、ちゃんと 恋 してんだなぁ...」
ハンドルを数回、噛みしめるようにトントンと叩いたお兄さんの顔は、少しだけ嬉しそうだった。
そして、由真にそのことを伝えると、お兄さんが大喜びしているメールが届いた。
『由真から、カッコイイにーちゃん、大好き』って、入ってきたーっ!
俺らの恋は、意外と、順調のようだ。
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