ほんとうに、そこらで勘弁してくださいっ

やっぱり家は片付きません

　なんだかんだで盗聴器は外した。

　晩ご飯にと買ってきたお弁当を食べながら、誠二が言う。

「でもさー。
　片付けたっていうけど、まだまだ物が多いよね」

　うっ。

「そうだな。
　これを梱包するめんどくささを考えたら、端から全部捨ててったらいいんじゃないかと思うよ」
と准も言う。

「一度、なにもかも捨ててみろ、葉名。
　まっさらな気持ちで、俺のところに嫁に来るんだ」

　うっ、なにもかもっ？

　そこに転がっていた昔使っていたペンケースを手に准が言う。

「本当にこれは捨てられないのか？
　あの世まで持っていっていいと思っているのか？」

　思ってるわけないじゃないですか。

　ちょっとクマの絵が子どもの頃使ってたペンケースのに似てて可愛いなと思って置いてただけですよ……。