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「陽子、茶を飲め」
「陽子さん、このケーキ」
植物園で、准と誠二は遊びに来た陽子をこれでもかと、もてなしていた。
さすが幼い頃から、此処で人をもてなすのが夢だった人々だ。
「陽子さん、これ、食べられる花、エディブルフラワーを使ってるんだよ。
紫のバーベナの花言葉は、後悔」
と笑顔で誠二は可愛らしい紫のバーベナと白い生クリームで飾られたケーキを出しているが。
いや、何故、後悔……。
花言葉はいらなかったのでは、と思いながら、葉名はお茶を飲んでいたが。
近々、花嫁になろうとしているのに、後悔にまみれたケーキを渡された陽子は、
「美味しそう、ありがとう」
と特にこだわることなく、微笑んで言っていた。
陽ちゃんのそういうとこ、とても好きだ……と葉名は思う。
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