植物園でもてなしたい人々

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 葉名たちの話を聞いた陽子は、 「あー、あったんだー、盗聴器。  じゃあさ、それ、たぶん。  前、隣に住んでた人がつけたんだよ」 と笑って言った。 「……なんで隣に住んでた人がお前の部屋に盗聴器つけるんだ」 と白いティーポットを手に言う准を見上げて陽子は言う。 「前、隣の人と付き合ってたから」  そして、その隣の人は別れたときに引っ越してしまったらしい。 「そうか。  それであまり電波の飛ばないタイプだったんだね。  隣の部屋だったから」 と誠二が頷く。 「……なにやってたんでしょうね、私たち。  誰も聞いていないのに」 と呟く葉名の横で、 「聞かれてたら、もっと恥ずかしいと思うが」 と准がもっともなことを言っていた。
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