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盗聴器を見つけました……
引越しの準備をしていて、盗聴器を見つけました。
「どうした、葉名」
部屋の隅にしゃがんでいた葉名に准が訊いてくる。
葉名の手には盗聴器のセンサーがあった。
学生時代の友だちに、陽ちゃんの部屋だから、盗聴器があるかもーという話をなんとなくしたら、
「じゃあ、これ貸してあげるから探してみなよ~」
と言われたのだ。
そのセンサーが今、オレンジ色に光っている。
センサーは盗聴器の存在を告げていた。
側にやってきた准を振り向き、葉名は、しっ、と言う。
「盗聴器ですっ」
と抑えた声で告げた。
「……は?」
と言う准に、葉名は、もう一度、しっと言う。
無言でベッドの陰を指差した。
そこに、存在自体知らなかったコンセントがあり、白いコンセントタップが挿さっている。
……怪しすぎる。
葉名はそこにセンサーを近づけてみた。
オレンジだったセンサーが赤く光る。
盗聴器がすぐ近くにある印だ。
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