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「何考えてんの?
...報われない想いを抱く俺への、同情?」
肩を両手で押さえ付け、睨み付けながら聞いた。
陽は弾かれたみたいにまた瞳を開き、小さく左右に首を振った。
「...なら、何だよ?」
噛み付くみたいに荒々しく首筋に口付けを落とし、強引にヤツのTシャツを脱がそうとしたら、そこで初めて陽は俺から逃れようと暴れ始めた。
でも今更 陽の細く小さな体で抵抗されたところでそんなの、俺を更に苛立たせるだけだった。
陽の瞳からは大粒の涙が溢れ出したけれど、それを見ても暴走を抑える事が出来ず、むしろ嗜虐心を煽られた。
「泣く程、嫌なんだ?
...ならもっと、抵抗しろよ。」
吐き捨てるみたいに言って、陽のほっそりとした、綺麗な腕を片手で床に縫い止めた。
「やめて、咲夜。
...お願いだから。」
震える声で、陽が訴える。
「は?なんだよ、今更。
やめるわけないじゃん。
...ホントお前は、バカだよな。」
ククッと笑い、陽の言葉は無視して行為を続けようとした。
すると陽は俺の瞳を見つめたまま、泣きながら微笑んで言ったんだ。
「咲夜になら、何されてもいいよ。
...でも上を脱がされるのだけは、嫌だ。」
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