4.丹羽雄吾

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「…………っ」  陽子の背中に向かって声を出したかったが、出せなかった。  本当は言い訳をしたかった。全て俺のせいじゃないんだ、と。でも、これ以上嫌われたくなかった。 「……折茂、めっちゃ怒ってたやん」  後ろから仲間が呟く。どういう顔をすれば良いか分からず、仲間の方を振り返ることはしなかった。 「雄吾、もしかして折茂って月島のことで怒ってたんちゃうか?」  もう一人が俺に向かって訊ねたが、俺は返すことも頷くこともしなかった。そのまま続けられた言葉に、俺は唇を噛み締めた。 「それならや、雄吾のせいちゃうやんか……」  俺は「ああ、せやな」とだけ応えた。亀がまた一匹ぽちょんと池に飛び込んだ。
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