2.折茂陽子

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2.折茂陽子

 楓ちゃんとは幼なじみだった。うちの母と楓ちゃんのお母さんが、ほぼ同じ道で幼稚園の送り迎えをしていたことから声を掛け合い、自然と一緒に遊ぶようになった。お母さん同士は馬があったようで、家族ぐるみでの付き合いをしていた。  楓ちゃんとあたしはずっと一緒にいた。幼稚園内でも帰宅後も。幼稚園の写真のほとんどが楓ちゃんと手を繋いでいるものだ。頭ひとつ大きいあたしがお姉ちゃんで、楓ちゃんが妹だと、ご近所さんたちはよく勘違いしていた。 「楓ちゃん!」 「陽たん!」  朝、挨拶して抱き合うと、ずっと日が暮れるまで一緒。幼いあたしたちにとって、お互いの存在が無いなんてことは想像することすらできなかった。
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