最終試練

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最終試練

『最終試練です。次の式が示す場所へ向かってください』 1(8 + 11 + 20) += 5 + 9 × 11 o = 15 l = 12 x = 24 y = 25 「うーん」 「んー」 第一の試練、第二の試練と即答してきた先輩たちだが、今回は頭を抱えている様子だ。 「さすが最終試練だけあって難しいですね」 「せやなー。下のヒントも上の式に4分の3出てこんしなぁ」 確かに数式にあるのは1だけで、0とXとYは登場していない。 「1で括っとるんも謎やな」 「1をかけても一緒ですもんね」 試しに左辺の1に12を代入して計算してみる。 「『468 += 104』か・・・。この=の前の+はなんなんですかね?」 「それは、プログラミング言語の書き方かもな。左辺に左辺と右辺の合計を代入するって意味や」 「なるほど」 その通りにすると答えは『572』になる。 「572年って何かありましたっけ?」 「第30代天皇の敏達天皇が即位された年ね」 「いや、大分マニアックやな!」 敏達天皇から連想できそうな場所もパッと思いつかないので、ミスリードということだろう。 すると、古川が何かに気づいた。 「ねえ。これ『0と1』じゃなくて、小文字の『OとL』じゃない?」 「え?・・うわ、ほんまや!」 「ということは・・・どういうことだ?」 ヒントの部分をよく見てみると、0と思っていたところが『o』、1と思っていたところが『l』だとわかる。 ヒントのはずのアルファベットと数字。 これでは、そのどれもが上の数式に登場しないことになってしまう。 「上の数式と下のヒントは、一旦切り離して考えた方が良さそうやな」 「そうですね」 下のヒントも暗号化されているということだろうか。 ここまで順調そのものだったオカルト部だが、ここにきて難題にぶつかり、足止めを食らった。
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