最終試練

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「・・ん。着いたわね」 「先輩の身体どうなってるんですか」 「なに、セクハラ?」 「ちっ、違いますよ!」 胸元を両手で隠し、訝しげな表情でこちらを見てくる古川。 確かに、今の言い方は誤解を招く可能性があったと反省する。 博多駅に到着するとほぼ同時に目を覚ました古川。 先程まではどうみても爆睡していたので、急に起きたことを不思議に思っただけだ。 「まあ、冗談はこの辺にして・・」 「心臓に悪いのでやめてくださいよ・・・」 最近はハラスメントに関する理解が深まったことで、その曖昧な線引きは厳しくなりつつある。 ハラスメントによる被害者が減ることはとても良いことだが、その反面、規制はどんどん厳しくなり、表現の自由は損なわれつつあった。 果たしてそれが正しいかたちなのか。 答えが出るのは、もっと未来の話だろう。 「いよいよ最終試練。オカルト部始まって以来の重大任務『人類救出』。必ず成功させるわよ!」 「「おー!」」 部長の掛け声に、部員が大声で応える。 運動部に所属経験のない僕は、その団結感にちょっとした高揚感を覚えた。
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